6月度 教区長法話
2018.06.08
合掌
 梅雨の兆しはあるものの、だいぶ暑い日が続いています。熱中症には充分留意されて修行に励んで頂きたいと存じます。

 さて、昨今世間を大騒動の渦中に巻き込んだのは、某大学でのアメリカンフットボール試合中に犯した反則行為に端を発した事件である。しかしその後、大学組織全体の疑惑や危機管理対応能力の賛否へといろんな方向に発展している。

 私は、公益財団法人日本体育協会(現スポーツ協会)日本スポーツ少年団認定育成指導員として、年に何度かスポーツリーダー兼スポーツ少年団認定員養成講習会の講師を依頼され、次世代のスポーツ指導者に対しスポーツの持つ極めて大事なスポーツマンシップとスポーツで培った精神を社会生活の中でどのように活かすかという事に重点を置き、スポーツを通してどういう人格を形成していくかという、手段としてのスポーツの在り方を強調しているところです。

今回の出来事は、そのようなスポーツ界全体の理念を覆すような事件であり、また背景に指導する立場の人間が何人もかかわっているという事に対して、スポーツを愛する人たちの怒り心頭は計り知れないものと肌で感じているのは私だけではないでしょう。

 競技主体の人間のややもすると陥りやすい、しかも絶対に犯してはならない一線を大衆の面前で恥も外聞もなく越してしまうその精神を皆が疑いの眼で目を見張ったことでしょう。
今回、報道の焦点はマスコミ対応の賛否と指導方法について大きく取り上げられていますが、私たちの金剛禅的ものの考え方から、私的な思いも含めて別の角度から今回の事件に直結する課題についていくつか掲げてみたいと思います。

〇世界中で行われているスポーツそのものの勝利至上主義への疑問
 スポーツは楽しむものであって、必ずどちらかに勝敗はつきものです。負けて何が悪いという事であり、スポーツにかかわることは、常に負けを味わう事である。したがって、負けをどう捉えるかが大切であり、負けた時の態度こそが大切であると思う。
スポーツに関わるすべての人間にとって重要な言葉に「グッド・ルーザーであれ」(good loser)というのがあります。日本人的に言えば「潔さ」で、勝つことだけへの執着は非常に醜いものである。潔い負けっぷりは称賛に価すると思う。

 私たちは、生まれた時から競争の世界にはまっている。幼稚園のかけっこから始まり、一等賞をとれば家族そろって大祝賀会が始まる。それが年を積むことによって段々と増幅し勝利至上主義へと突き進むのである。大事なのは、その過程で如何に大局を俯瞰した影響のある教えを受けるかである。同じ勝利をつかむにしても、勝つという事と負けるという事の相反することから得る智慧が必要となってくる。
開祖の死ぬまでは生きているという言葉のとおり、生きている事への感謝と威厳というものは、開祖が死を意識した時から始まったような気がしてなりません。
死というものを意識することによって相反する生への充実につながっていくものであると思います。ここに中道(調和)という意味合いがよく読み取れると思います。
 技術修練の中に中道(調和)の教えが活かせることによってはじめて易筋行としての価値が生じてくるものと思います。

合掌再拝
2018年6月7日
千葉県教区長 森 久雄(千葉野田道院長)
2018.06.08 08:08 | 固定リンク | 教区長法話
5月度 教区長法話
2018.05.02
合掌
 ゴールデンウイーク真っただ中、門信徒のみなさまはいかがお過ごしでしょうか。
サービス業に携わる方々にとってはなかなか休むことのできない環境にあると思います。
私の周りでは、農家が多いですからこの時期田植えで大忙しにしています。私も周りで畑仕事をしている人と挨拶をかわしながら、道場の周りに除草剤をまきましたが、この時期雑草といえども花を咲かせていて、このまま除草剤をかけてしまっていいのかなと思いながら花の間を縫っての作業でしたので大変な時間を要してしまいましがどうにか無事終了しました。
 昨今、働きかた改革の法案について物議を醸しているところですが、この法改正は先月お話しした少子高齢化と人口減少と密接な関係があります。また、私たちも仕事の合間をぬって少林寺拳法の修練や指導に当たっていますし、幹部になると少林寺拳法に対しても責任ある立場になるとともに、仕事での地位や立場も当然の責任が伴ってきます。
 その様な働く環境の中で如何に布教活動を推進するかは大変な課題です。仕事との両立がままならず、苦難の選択肢の中から仕事にとり少林寺拳法をあきらめる人も少なくありません。また、家族の介護の事情から同じような選択を強いられる方も少なくありません。
私たち教区執行部は、同志を守るためにもこれからの時代に向けた少林寺拳法修行の在り方や、道院運営について情報を共有し少しでも活用できる「気づき」を提供したいと考えています。
そのためにも、道院長の先生は勿論、幹部の皆さんや女性拳士の皆さんとの交流を目的とした研修会の充実を重点実施項目として今年度も推進していきます。
すでにご案内のとおり7月21日(土)22日(日)にかけて勝浦研修センターに於いて「助教・幹部拳士交流研修会」を開催いたします。
この様な機会を利用し、いろいろな意見や考え方を参考に自己の確立の達成につながるヒントを得ていただきたいと思っています。
「人は人との交流の中から成長できる」ことを実証するためにも是非ご参加をお願いいたします。
合掌再拝
2018年5月1日
千葉県教区長 森 久雄(千葉野田道院長)

2018.05.02 07:10 | 固定リンク | 教区長法話
4月度 教区長法話
2018.04.01
合掌
 初夏ともいえる日差しの中で、ここぞとばかりに咲き誇る桜並木を眺めながらの通勤にわずかな時間ではありますが春の風情を感じている今日この頃です。



 先日、千葉県教区2018年度全体会議に於いて今年度の活動計画を満場一致でご承認いただきました。
特に少林寺拳法創始70周年の節目から第一歩を踏み出す重要な年として位置付け、昨今の門信徒数減少という深刻な課題を真摯に受けとめ、地域の道院を取り巻く「社会状況に柔軟に対応できる活力ある千葉県教区活動の展開」をテーマに活動方針を定めました。

金剛禅運動に於ける人づくりの原点に回帰し、道院幹部拳士や女性拳士への交流研修会を通した教化育成活動を重点課題として、魅力ある道院づくりを見据え従前よりワンランクアップした千葉県教区活動を展開いたします。
 主な活動として、道院の助教・幹部拳士を対象に交流研修会を開催いたします。今回は宿泊研修会とし、「同志相親しみ、相援け」の信条に従い、横の絆を深め感性を磨く場を提供し切磋琢磨の時間を共有したいと考えています。
 そしてまた、今年度も継続して女性拳士交流研修会も開催することとなりましたので、所属を問わずたくさんの拳士の方に参加して頂き、金剛禅の輪をしっかりと広めていきたいと考えていますので、今年度も引き続き門信徒のみなさまのご協力とご支援をお願い申し上げます。

 さて、冒頭私の通勤のお話をしましたが還暦を過ぎ5年たった今も会社勤めをしているところですが、今年度より我が社の再雇用社員の停年が70歳まで延長されました。
そんな中、3月31日の新聞報道で「2045年3割超が65歳以上」「総人口激減」との見出しに驚きを感じています。国立社会保障・人口問題研究所が3月30日に「地域別将来推計人口」を発表したものですが、高齢化率50%を占める市町村が約30%に急増するとの事です。その結果、労働者不足に伴う対策として、外国人就労者(移民)受け入れも検討されていることから治安問題が懸念され深刻な状況が予測されています。更に、年金制度の破綻や介護施設の不足、医療機関の縮小といった非常にお先真っ暗な近未来に動揺を隠しきれないのは、私と同世代の方々ではないでしょうか。

21世紀は「心の時代」とも言われている様に、このような時代こそ道院を媒介として人が集い、人と人の心(魂)の繋がりの中から少しでも自分の存在価値を見出し、生きる力と喜びを享受する金剛禅の教えが心の寄り所となる布教活動を目指したいと考えています。師家のご講話の中で2025年問題として、超少子高齢化社会に対する私たちの関わり方を問いかけられていましたが今更ながらに実感しているところです。

合掌再拝

2018年4月1日
千葉県教区長 森 久雄(千葉野田道院長)
2018.04.01 11:38 | 固定リンク | 教区長法話
3月度教区長法話
2018.03.01
合掌 
久々に自宅道場の裏に出てみると、紅梅と白梅の花がコントラストよく開花されているのを発見し思わずカメラを取り出し写メとなりました。何となく春めいた気分になっています。

2017年度もいよいよ大詰めとなりました。先日、東京で行われました「少林寺拳法創始70周年記念レセプション」に千葉県教区を代表して出席させていただきました。
少林寺拳法創始70周年記念事業実行委員会は、少林寺拳法グループの若い世代が中心となり始めから最後まで企画運営をされていました。
この締めくくりとなるレセプションも「感謝」をテーマに行われ、最後に実行委員のみなさんが登壇し挨拶されていましたが、その姿が当初大きく見え、威風堂々としたこの姿こそがこの一年間を物語っている様にも見え頼もしい限りでした。

さて、2017年度は千葉県教区としても、少林寺拳法創始70周年を記念した行事を展開してまいりました。
千葉県教区特別講演会として元代表の鈴木義孝先生を迎えての講演会を皮切りに、
教区単位では全国でも初めての千葉県教区合同記念帰山合宿の開催、
そして女性拳士交流研修会を女性拳士20名の参加をいただき開催し、
「次世代へ繋げる架け橋」として楽しい修行の時間を共有できたとの感想をいただきました。

また、先月、2月4日には、今年度最後の事業として東京別院をお借りして、本山公認講習会と新春法会を同時開催させていただきました。









今年度は、「少林寺拳法創始70周年」を節目とする各種事業を展開し、千葉県教区活動として門信徒のみなさまの「心に残る記念事業」を合言葉に開催運営をしてまいりました。

2018年度は、社会状況に柔軟に対応できる、活力ある教区活動を展開するため金剛禅運動における人づくりの原点に回帰し、道院幹部拳士や女性拳士への交流研修会を通した教化育成を重点課題とし、魅力ある道院づくりを見据えたワンランクアップの千葉県教区活動を展開したいと考えています。

特に、全国の道院長の平均年齢が60歳前半となり高齢化が深刻化していの中、今我々のやるべきことは少林寺拳法創始71年目として「次世代への架け橋」を真剣に考え、後継者育成に努めなければならない時期に直面していることを認識することにあります。
千葉県教区内でも、後継者がなく廃院を余儀なく選択する事象があるのも事実です。

よって、頼もしい後継者育成に力を注ぐべく千葉県教区一丸となって次年度も新事業を展開してまいりますのでよろしくお願い申し上げます。

合掌再拝

2018年 3月1日
千葉県教区長 森 久雄(千葉野田道院長)



2018.03.01 10:17 | 固定リンク | 教区長法話
2月度教区長法話
2018.02.02
合掌 
光陰矢の如し・・・1月の正月気分もあっという間に過ぎ去り、節分を迎えようとしています。
故事にもあるように、月日の経つのはあっという間で二度と戻ってこないから、無為に送るべきではないという戒めをかみしめているところです。

今年は創始70周年から第一歩を踏み出す年として位置付け、千葉県教区としても組織の変化に対応したいろいろな取り組みを実施する予定です。
とくに、「行」と「法(教え)」は別々に修行するものではないという事を再認識し、「教えを垂れて人を導き・・・」とあるように易筋行を通した教えの実践による導きが無くてはならないと思っています。

技術の教えのみに終始することなく、易筋行の中から「人を導く」ことが達成できてはじめて金剛禅門信徒の責務を全うできたと言えると思います。
現在、組織の変化に伴い、私たち門信徒の修行環境にも変化が生じてきていますが、新しいものにチャレンジする精神が我々の主行たる「動禅」としての在り方でもありますので、日常生活の中にも、「行」として捉えるものが多く存在していることに気づき、日々の修行の中から自分の生き方に対するヒントをつかみいつの間にか変わったという自分を見出してほしいと願っています。

合掌再拝

2018年 2月1日
千葉県教区長 森 久雄(千葉野田道院長)
2018.02.02 08:12 | 固定リンク | 教区長法話

- CafeNote -